今、読んでおきたい一つ屋根下の甘酸っぱいラブコメ小説「継母の連れ子が元カノだった」の魅力(感想考察)

運命の悪戯の1巻

波瀾の友達の2巻
不滅の関係の3巻
乙女の決意の4巻
恋慕の行方の5巻
横顔の記憶の6巻
素数の軌跡の7巻
十色の旅路の8巻
少年の野望の9巻


もしケンカ別れした元交際相手が親の再婚で「きょうだい」になったら、あなたはどうしますか?

「継母の連れ子が元カノだった」とは?

紙城境介(かみしろけいすけ)の小説。カクヨムの第3回Web小説コンテストのラブコメ部門の大賞をとった作品。
「8月12日」に、カクヨムの週間総合ランキングで1位を獲ったみたいです。1巻あとがきより。

なぜ、このタイトルなのか?

憶測なのでこれが事実とは言えないですが、書きます。

3巻発売記念独占インタビューで紙城境介先生は

「そもそも本作は投稿当時1話で終わるはずの物語だったんです。僕自身続ける予定もなく、短編として突発的に書いた作品でした」

と発言されています。

上で述べられている1話の『元カップルは叫ぶ。「神様てめえ!」』は、最初から最後まで水斗の目線です。
なので、タイトルが水斗から見たストーリー概要になっているだと思います。

ストーリー

中学校の卒業式で別れた「カップル」が2週間後に親の再婚で、「きょうだい」になってしまう所から物語が始まる。

登場人物

rabbitkisaragi.hatenablog.com


一つ屋根の下でのラブコメは今まで色々ありましたが、元カップルの設定はなかったと思います。一つ屋根の下でのラブコメは、思い当たるのは以下の2つです(マンガしか思いつかなかったし、歳バレるよね)

ママレード・ボーイ 文庫版 コミック 全5巻完結セット (集英社文庫―コミック版)

ハチャメチャな親に振り回される子ども同士の恋愛の話。

イタズラなKiss 文庫版 コミック 全14巻完結セット (集英社文庫―コミック版)

親の親友の家に居候することになって、その親の親友の息子が片想い中の天才だったという話。作者急逝のため、未完

水斗と結女の複雑な関係

上であげた2つのとは、また違った物語が展開されていきます。

カップルだった頃の黒歴史をほじくりあい、からかってはやりかえさたり、カップルだった頃の気持ちがよみがえりそうになったりと色々やらかします。主に結女がやらかします。それを水斗がフォローして、表面上は仲のいい義きょうだいを演じてます。
別れたとはいっても、まだお互い好き同士ですれ違った状態。ヨリを戻すにも、親のことを考え踏み留まっている。理由を作って、目を背けている。
母親を知らない水斗と親の離婚を経験した結女、それぞれが変わらない関係の「きょうだい」にすがっている。大切だって思うからこそ壊さないように自分の気持ちを誤魔化し、親の幸せを守るために仲のいい「きょうだい」を演じる。それが、水斗と結女の共通認識だ。

1人で何でもこなしていた水斗が寂しさを埋めるため結女を求めた。良き理解者がいない結女が察しのいい水斗を求めた。互いに支え合っていた。失ってから気づくものがある。それが再び形を変えて、戻ってきた。
ケンカ別れした「カップル」が「きょうだい」になった。日常的に「きょうだい」ケンカが出来るようになった。
気にくわない所も言葉を交わすことによって受け入れるようになる。ケンカは意見のぶつけ合いだ。ぶつけ合わなければ、いつか不満が爆発する。定期的にケンカでガス抜きすることで、いい関係が保たれる。
そんないい関係が保たれた状態で、優しくされたり性的にドキドキしたり、、、一つ屋根でそんな相手が住んでいる。意識しないはずがない。しかし、水斗と結女は「きょうだい」だ。昔には戻れない。

今後どうなるかは、分からない。水斗と結女から目が離せませんね。

最後に

紙城境介先生にとって、カクヨムの週間総合ランキングで1位を獲った「8月12日」は特別な日なのかもしれませんね。4巻読んだ人は分かると思います。
伏線がかなり張られてますので、読み返してみると面白いです。
ビブリオバトルでそれぞれが言った小説、水斗の照れ隠しを読み解くと甘い、図書館での黒歴史、結女の実父について、、、伏線いいよね!